織り上がった紬を同重量の紅もちで染める。
まだ濡れているのでやや濃い目に見えるが、乾けばもう少し薄めの濃ピンクになるだろう。
最上紅花100%の濃色染め製品はほとんど出回らない。知る限りでは県内の企業が作る羊毛のテーブルセンターくらいか。首都圏の有名デパートで販売価格10万円だったと記憶してます。
産地ならではですね。
産地以外では、皇室の神事用装束くらいだろうか。紅花染め=高価なので、作っても飛ぶように売れるものでもない。。。
なぜ高価なのか??? 生産量が少ないから? なぜ生産量が少ないのか?
近年、最上紅花の栽培面積は多少増えている。それぞれの産地・農業法人などが紅花摘み取りボランティアなどを募り、栽培面積増加や短期に集中する労働力不足を補う取り組みを行っているのです。 一方、有名産地以外の個人生産者は今後減少していくのかもしれません。上記のような取り組みを行うほど栽培面積が大きくなく、高齢化や労働力に見合う収入が得られないことがネックとして存在するからです。
因みに、今年私が作った紅もちの価格を、紅花栽培と紅もちに携わった時間で割ると、作業時間1時間あたりおよそ350円/時。山形県の最低賃金の半分です。。 作業のやり方もあるでしょうが、それでも昨年より労働時間100時間減、紅もち生産重量1KG増なのです。
紅もちは高価なものと思われるでしょうが、生産者は決してそうは思っていないのです。(現在の貨幣価値に換算すると江戸時代の紅もち価格とほぼ同じらしい)
このような現状で生産を続ける多くの生産者のモチベーションは〝伝統〟を守る誇りにあるのかもしれません。
今後生産者・生産量を維持、あわよくば増やすためには、今なにか大きなイベントが必要な気がします。
私のモチベーションは、紅もちを潤沢に使用できる、というところにあるのかな。。
さて、次の工程は本紅の精製です。
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